福島県郡山であさか野焼の製作・販売

あさかの窯
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あさか野焼の陶土について

郡山市を含む周辺地域は、古くから「安積(阿尺、あさか)」という地名で呼ばれていました。当窯が、郡山市で焼き物を再開するに当たり、窯名を地名の来歴に因み「あさか野窯」と名付けました。また、焼き物の産地ではない郡山市に、焼き物文化を広め、焼き物の新しい物産として地域の人々に親しんでもらいたいとの思いから、焼き物の名称を「あさか野焼」と名付けました。

開業当初は、他産地から取り寄せた陶土を使用していましたが、間もなく、郡山の陶土の存在を知りました。聞くところによると、郡山市のある安積平野(郡山盆地)は、一帯に陶土が存在し、また、郡山市では、その陶土を用いて屋根瓦を生産していたとのことでした。また、市内の屋根瓦製造所でも、かつてこの陶土を使って焼き物を作ることを試したとのことでしたが、軌道には乗らなかったとのこと。そして、早速採土業者から原土のサンプルを分けて貰い、試作したところ、不要な成分と鉄分の多いものの、経験から、精製すれば何とかなる感触を得ました。その後、幾度かの試作をしながら工夫を重ね、製品の量産に使える現在の陶土に仕上げました。

通常、焼き物の産地と言うのは、原料の陶土が豊富にあるために産地として発展し、多くの事業所が存在します。そして、精製した陶土を供給するための「製土業者」があります。しかし、郡山市は焼き物の産地では無いため製土業者がありません。そのため、あさか野窯では手作業により自家精製しています。手作業ではそれほど多くの陶土を生成できませんが、あさか野焼としては、地元産の陶土を使うことで正真正銘の地元の焼き物として存在し続けたいと考えています。